東方原作STG 攻略情報の探し方について
ご存じの通り、当サークルの同人誌Knowledgeは東方原作STGの総合攻略本です。本誌以外にも、東方原作STGの攻略本は多数存在します。また攻略情報は印刷物のみならず、動画やウェブサイトの形で公開される事が多々あります。STGを遊び始めた直後は独力での攻略が難しく、攻略情報に頼ることがよく有る訳ですが、情報にアクセスできなければ話が始まりません。
今回は攻略情報をその情報媒体ごとに分けて、情報の探し方や活用方法についてお示しします。
リプレイファイル
東方STGをプレイした際に、コンティニューをしていなければリプレイを保存することができます。この時保存した〇〇〇.rpyというファイルが、リプレイファイルです。東方STGがインストールされているフォルダ(紅魔郷から星蓮船まで)か、Windowsの隠しユーザーフォルダ(ダブルスポイラー以降)にrpyファイルが保存されています。
上の画像では東方星蓮船のフォルダを例に挙げています。リプレイファイルは作品ごとに決まった名前形式で登録され、東方のプログラムが正しく読み込めば、プレイ内容をそっくり再現して再生してくれます。ファイル自体は数十KBと小さく、ウェブ上へのアップロード・ダウンロードが楽です。実際インターネット上には、個人のアップローダーからリプレイアップロード用の掲示板まで非常に多くの場所でリプレイファイルが公開されています。
便利なリプレイファイルですが、攻略情報として利用する際には注意が必要です。理由は数点ありますが、①再生するまで内容が判らない(誰の、いつのプレイ?クリア済?)②何の目的のプレイか判らない(初回クリア目的?縛りプレイ?)③正しく再生できるか判らない(自分と相手のバージョン、環境の違い)④巻き戻しができない(再生はいつも最初から)⑤セキュリティの問題(偽装ファイルかも…)などが挙げられます。多くの場合何かしら説明がなされた上でファイルが公開されているので、ランダムに謎のリプレイファイルを手に入れるという事はないでしょうが、せっかくダウンロードしても正しく読み込めない、なんて事もあります。反復して学習したい情報としては、巻き戻し再生ができないのも辛いところです。リプレイを流しているところを録画して、動画にすれば便利そうですが…?
攻略動画
東方STGの映像(多くは録画、たまにライブ)を収録した動画で、プレイ動画や攻略動画と呼ばれることが多いです。古くはニコニコ動画に始まり、現在ではYouTubeに多数の攻略動画が存在します。検索欄に「東方 攻略」と入力しても良いですし、ニコニコ動画では「東方解説シリーズ」「東方原作プレイシリーズ」といったタグ機能を使って検索することもできます。試しに単語を入力して検索すると、なんとこんなにも多数の動画が見つかりました。入力する単語によって、検索結果はかなり変わってきますね。
作品別に調べてみると、当然ですが古い作品ほど動画が蓄積されて増える傾向にあるようです。6ステージ制では一番新しい東方虹龍洞の動画は55本あるようです。これらの中にはゆっくり解説やBiim式など凝ったレイアウトの動画もあれば、単にゲームのプレイ画面が流れるだけのものもあります。ニコニコ動画の様に動画にコメントが流れる動画サイトの場合、動画本体にはコメントが無くてもサイトのコメントで解説情報が追加される場合があります。リプレイの再生と同様ですが、実際にゲームの動作が見られるため、自分で参考にするときに確認がしやすくて良いものです。またリプレイファイルでは出来なかった巻き戻しが、動画ではいくらでもできます。加えて自分の環境ではゲームが処理落ちして本来の動作が得られない場合でも、動画自体の再生に問題がなければ本来の動作で弾幕を確認することができます。スマホアプリに対応している動画サイトならば、PCで東方が出来ない環境でもゲームの動作を見ることができ、大変便利です。
しかし後述するウェブサイトと同様に、動画サイトが閉鎖したり、投稿者が動画を消したりすると動画が見られなくなってしまいます。有用な動画を見つけたらブックマークやリストに入れることは勿論ですが、可能ならば動画ファイルのダウンロード(合法的手段で)や録画をするとより確実でしょう。検索できる動画サイトはニコニコ動画・YouTube以外にも多くありますが、日本語検索の場合その2つ以外だと殆ど動画がヒットしません。インターネット上にある情報を広く検索するには、どうすればいいでしょうか。
個人ブログやウィキ等のウェブサイト
各種検索エンジンでの検索方法(通称ググレカス, ggrks)は、皆さんご存じの通りです。「東方 原作 攻略」などと検索すれば、それはもう沢山の情報がリストアップされます。リストの上から順に見ていけばいつか当たりにたどり着きそうですが、数が多くて大変です。攻略したい作品や難易度を合わせて入力して、検索結果を絞っていきましょう。同じGoogleで検索しても、その方法によって得られる結果は少し変わってきます。Googleで検索して、世の中の全てのオンライン情報が得られる訳ではありません。Google検索で表示される結果がどのように作られるかというと、検索エンジンのAIが常に色々なウェブアドレスを巡回していて、更新頻度の高いサイトやAIが見つけやすいサイト(SEO対策といいます)が出来ているサイトを優先的に検索結果に表示しているのです。古くて更新されていない、SEO対策がなされていない個人ブログなどは、どれほど有益な情報が書いてあっても検索で見つけることができません。YahooやBiglobe、Exciteなど色々な検索エンジンでも同様に、そのエンジンのAIが見つけやすい情報や広告料を払った人の情報が上位に表示されます。もっと言うと、アカウントの情報(人種、年齢、性別や普段の検索履歴など)によっても表示される順位は変わります。そういう情報網の個人化・囲い込みについて語っている面白い本(1)があるので、暇な人は読んでみてください。プレイ人口が多い作品は攻略情報も多いので、どう検索してもある程度の情報は得られますが、情報が少ないコンテンツについて調べるときはコツが必要です。検索ワードの組み合わせや順番を変えたり、除外ワードを追加したり、検索エンジンを複数使ったり、アカウントを変えたり(ブラウザのシークレット機能を使う)、更には言語を変えたりして調べたりすると、お目当ての情報が見つかるかもしれません。やっと見つけた情報は、大事にブックマークしておきましょう。しかし個人ブログについては、最近ではYahoo!ブログやLINEブログが終了したようにサービス自体が終了して消えてしまう可能性があります。また見返したいというウェブサイトはページごと保存したり印刷したりして、無くならない方法を探しましょう。でも最初から印刷されていれば、その手間が省けるのでは…?
書籍
「ゲームの攻略本」というと出版社が出しているムック本が思い浮かびますが、東方の場合は同人誌として公開されることが多いです。団体よりも個人が発行するものが多く、体裁はページ数、配色、サイズ、レイアウトの全てにおいて様々です。形と同様に値段も無料(Knowledgeのことですね)から2000円くらいまで幅があります。Knowledge以外の攻略本については、以前の記事「なぜKnowledgeは簡単すぎるのか」でも紹介しているのでぜひチェックしてください。
さて書籍の良いところは、オンラインの情報と違って勝手に消えたりしないことです。しかし紙そのものが劣化したり汚損したりして、読めなくなってしまうことがあります。加えて同人誌の多くは同人誌即売会の会場でしか手に入らないため、アクセスが不便になりがちです。意欲的なサークルはメロンブックス等の委託販売を利用してオンライン販売を行っていますが、その数は限られています。しかもオンラインで売っていても、在庫が無くなったり絶版になったらおしまいです。そもそもの話、なにか創作をして、さらに文書にまとめ、印刷してほかの人に渡すというプロセスを完遂できる人自体が少ないため、書籍の形になっている攻略情報は、全体のごく一部です。存在自体が希少なので、見つけたら記念にゲットしておきましょう。
どうすればいいのか
まずオンラインでも書籍でも存在する、無料で読める総合攻略本をゲットしましょう。
Knowledgeを手元に置きつつ、上記の方法のうち、すぐに取り組めそうなものから試してみましょう。実は上の文章は(Knowledgeを入手している場合)下からお手軽な順に並んでいます。まずはPCやスマホで、気になる作品のワードを入れて検索してみてはいかがでしょうか。動画の資料があればラッキーですし、そのプレイのリプレイファイルまで辿り着ければもっとラッキーです。とにかく行動あるのみ、本記事を読んで最初の1歩を達成した皆さんは、次なる1歩を踏み出しましょう。
参考文献
(1)閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
著者:イーライ・パリサー 出版社:早川書房
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